稽留流産の診断を受けてから、毎週通院しながら自然排出を待つことにしましたが、3週間経っても出てくる様子がなかったので手術で摘出することに決めました。
できれば自然排出を待ちたかったのですが、仕事もしているのでいつ出てくるか分からない状態が続くのも影響があると思い、手術に踏み切りました。
流産の診断を受けてから全く出血はなかったのですが、手術を受けると決めた日の夜に若干ですが出血がありました。
そして翌日生理2日目くらいの出血があり、腹部に鈍い痛みを感じるようになりました。
その後も出血が続き、『これは自然排出の兆候かもしれない』と思いました。
手術を受けるべきか判断できず、病院に電話して状況を説明したところ「1度診察を受けて下さい」と言われたので、手術の前日に病院に行きました。
診察を受けると「自然に出ようとして子宮内の袋の形が少し変わってきていますが、この後もいつ出てくるか分からないので予定通り手術を行いましょう」と先生に言われ、翌日の手術を受けることになりました。
結局摘出手術を受けることになりましたが、手術を受けると決めた日に出血が始まったことは、偶然かもしれませんが、お腹の子が『自分で出てくるよ』と言っているようで、最後のメッセージを受け取ったような気がしました。
手術当日、コロナ禍ということもあり同席ができないのと、夫もはずせない仕事の予定があったので、病院へは1人で向かいました。
朝の8時30分にPCR検査を受けて陰性であることが証明された後、病室に移動し1日の流れを看護師さんから説明を受けました。
まず子宮頸管を広げる処置を行なったのですが、子宮内を器具でつままれるような感覚で、想像していたよりも痛みが強く、気持ち的にも非常に辛かったです。
また朝の8時から絶飲絶食で、その代わりに点滴を打ったのですが、私の血管が細いようで手術用の太い針がなかなか刺さらず4回もやり直し、針を刺すのも毎回激痛で耐え難かったです。
それから13時の手術まではベットで寝て過ごしました。
看護師さんが定期的に点滴の様子と合わせて見にきてくれるのですが、とても親切に対応していただき安心して過ごすことができました。
病室で横になっている時に、お腹の子に「今日でお別れだけれども無事に旅立ってね。来てくれてありがとう。」と最後のお別れの言葉を告げました。
そして手術15分前に紙ショーツにはきかえ、コンタクトも外して手術室に向かいました。
私はとても目が悪く転ぶ可能性があるので、看護師さんが車椅子を押して行ってくれました。
手術室はテレビドラマで見るような手術台と色々な器具があり、その光景を見て不安に駆られそうになりましたが、目が悪くてはっきり見えない分、緊張感は少し和らぎました。
手術台に上がり、指先や胸に心拍や心電図を測るようなモノをつけたり、子宮内を消毒する作業を行なったりしました。
麻酔は本当に摘出する直前に行うとのことで、それまでの準備は意識があった状態でしたが、目を開けていると不安が増してきそうなので、ずっと目を閉じたまま耳だけで先生方の指示を聞いていました。
そしていよいよ手術を行うとのことで「麻酔を打ちます」と言われました。
勝手に麻酔は腕などから打つのかと思っていましたが、局所麻酔とのことで子宮あたりに打たれましたが、打たれた瞬間に表現できないような痛みと手に独特の痺れを感じ、「眠くなったら寝て下さい」という声を聞いた後のことは覚えていないので、眠りについていたのだと思います。
そして「終わりました」という声で目が覚めました。
「覚えていますか」と聞かれましたが、全く覚えておらず、首を横にふりました。
目は覚めていますが、麻酔の影響か意識が朦朧としていてベッドに横になったまま病室まで運ばれました。
手術が終わって1時間半くらいはずっと寝ていて、30分ごとに看護師さんが様子を見に来て声を掛けてくれる時だけ目を覚ましました。
手術が終わってから2時間くらいで麻酔が取れて歩ける状態かを確認するのですが、腹部の痛みがかなりひどかったため、痛み止めをもらって少し様子を見ました。
そして腹部の様子がマシになった頃に少し歩く練習をして、その後退院できるかの診察を受けることになりました。
ベッドから起き上がると、紙ショーツとナプキンをしていましたが、血がシーツにも衣服にも大量についていて、その量に驚きました。
診察室に着いてショーツを脱いで診察を受ける時も、血がボタボタと床にも垂れてしまう状態でした。
先生に術後の状態を見てもらい、問題ないようでしたので無事に退院することとなりました。
入院の持ち物で夜用ナプキンを持ってくるようにと言われていたので、サイズなどあまり深く考えず家にあるナプキンを持っていきましたが、こんなに大量に血が出るならショーツタイプを持っていけばよかったと後悔しました。
前日の夜以降何も口にしておらずお腹がぺこぺこだったので、手術を頑張ったご褒美に帰りに美味しい海鮮丼を食べて帰りました。
心身ともにとても疲れた1日でしたが、同時にようやく赤ちゃんが無事に旅立って安心した1日でもありました。
流産という経験は本当に辛く、すぐには立ち直れないと思いますが、前を向いて少しずつ元気を取り戻していきたいと思います。
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